化學本部
メタノールなどの基礎化學から、合成樹脂を中心とした機能性材料、工業塩?レアアースといった無機化學など、幅広いトレードや事業を展開しています。低炭素社會?循環型社會に貢獻する環境ビジネスやライフサイエンス分野での事業開発にも取り組んでいます。
本部の強み
- ●上流から下流までの幅広い商材とビジネス提案機能
- ●全世界約5,000社に及ぶ充実した顧客ネットワーク
- ●総合商社の中で上位に位置する事業規模と知名度
- ●ガスケミカル事業で培ったオペレーションノウハウ
- ●合成樹脂事業が有するグローバルな販売?調達ネットワーク
- ●C5?石油樹脂事業におけるバリューチェーンでの事業ノウハウ
- ●インド工業塩をソースとしたアジア市場での大きなシェアと供給安定性
外部環境
機會
- ●新興國の経済発展に伴う世界的な化學品需要の伸長
- ●ポストコロナにおけるサプライチェーンの変化
- ●グローバルに進む環境対応ニーズの進展、高度化に対応する新しい素材や製造技術の開発
リスク
- ●低炭素社會への移行に伴う石油化學製品に対する社會からの圧力
- ●急激な市況?為替変動による事業収益の圧迫
- ●コロナ禍からの回復時の急激な需給変動に伴う供給実行リスク(量の確保?物流逼迫など)
成長戦略
コロナ禍によるロックダウン等の行動制限によって、自動車産業をはじめとする工場での生産停止や生産量の減少が発生しました。それに伴い、樹脂を中心とした各種化學品の需要も減退し、価格低下が進んだことから、業績への影響を大きく受けています。今後もそのような動向を慎重に見極める一方で、回復時には需要が急拡大することもあるため、環境変化に注意を向けて収益機會を追求するとともに、供給責任を果たしていきます。
2030年に向けて、「化石由來製品からバイオマス由來の化學品への転換」「リサイクルなどの資源循環型社會の創出」「健康食品などヘルスケア需要の取り込み」の3つの分野における長期の収益戦略を描いています。例えば、ライフサイエンス分野では事業投資を実施することにより、健康食品や醫薬?化粧品原料などのトレード型から、新たな素材の開発?製造や販売を通じたソリューション型に転換していくほか、環境分野では新技術を活用したバイオマスケミカルや、ケミカルリサイクルといった新事業を展開していきます。
また、スタートアップなどの技術を持った企業への投資を進めており、バイオマス原料由來の化學品製造技術を持つGreen Earth Institute株式會社やケミカルリサイクル技術を持つ日本環境設計株式會社への出資を実施しました。技術力?実行力のあるパートナーとの協業を力強く推進することにより、脫炭素社會に貢獻していきます。
主な取り組み
事業MAP

C5?石油樹脂事業:Cymetech社 (米國)

工業塩事業 (インド)
■環境?ライフサイエンス事業
ヘルスケア分野における國內やアジア、市場規模の大きい歐米市場での成長を取り込むために、既存事業とのシナジーの創出を企図したM&A等を通した仕組みづくりに著手しています。具體的には、機能性表示食品分野における生活習慣病予防?認知癥予防に訴求効果を持つ素材メーカーへの出資や、血液検査等のシステム?試薬メーカーへの出資を通じて、検査データを活用した新たなビジネス構築を目論んでいます。このほか、アグリ分野においても、メーカーと協業し、マイクロプラスチック問題の解決に資する機能性肥料の開発を推進しています。
■合成樹脂事業(雙日プラネット/プラマテルズ)
環境と地域社會に資する「食品包材」「グリーンプラスチック?リサイクル」「次世代自動車部品」という3つの成長領域における事業開発に挑戦しています。食品包材では、歐米を中心に生活様式の変化に資する製品供給に努め中國?アジアにも展開しています。また、環境?リサイクルの分野で培った知見や人脈を駆使し、グリーンポリエチレンやバイオマス、海洋生分解性樹脂といったリサイクル分野の取り組みを加速していきます。自動車部品に関しては、樹脂とEMS(電子機器受託生産)のワンストップ提供を推進します。雙日プラネット、プラマテルズの2社でバランス良く価値向上に努めています。
■歐州化學品事業(ソルバディス社)
2017年に買収したソルバディス社は、伝統ある化學品商社という側面もあり、コロナ禍の環境下においてもメタノール、硫黃?硫酸、液體化學品を中心とした安定的な取引を継続できました。歐州域內での物流機能をさらに強化?差別化し、取り扱い量の増加に取り組むとともに、雙日のネットワークを活用した他地域において競爭力のあるメーカーとの取り組みを深めています。
TOPICS
ケミカルリサイクルの取り組みを強化
化學本部では、環境問題への対応を背景に、今後十數年にわたって市場の伸長が見込める「プラスチックリサイクル」の取り組みを強化しています。とりわけ、複數種類の混合プラスチックの処理が可能であること、処理後に精製される「ナフサ」が既存の石化設備での原料として活用できること、また、従來品と同等の品質を確保することが可能であることなどに著目し、熱分解油化技術による「廃プラスチックのケミカルリサイクル」の推進を目指しています。

組織図
|